メーカー

良い点

・室内が広い
・入口をマグネットで固定できる
・フットプリントが付属している
・ペグが使いやすい
・ペグがY字型タイプ
・テント内にたくさんのループ
・リペアキットが付属
・ランプ用のポケットがある
・設営のバリエーションが豊富

悪い点

・結露が発生しやすい
・付属のペグの数が少ない
・ガイラインアジャスターが無い
・ポールを組むのが面倒
・通気性が良い

住み心地（Livability）

以前テストしてその居住性やユーザビリティの高さが高評価だったGalaxi 2P。今回はその同系モデルであるGalaxi Stormをテストしてみました。Galaxi とGalaxi Stormの違いは、Galaxiはインナーがオールメッシュなのに対してGalaxi Stormはナイロン地のノーメッシュタイプ。違いはただそれだけなのですが保温性の違いをはじめ、ノーメッシュになったことによるメリットに以前から興味津々だったのでテスト&レビューしてみました。







室内はGalaxi 2P同様相変わらず広く、スリーピングパッド２枚を余裕で敷けてしまうほどの広さがあります。



天井が高いので普通に座っても無理な体勢を強いられたり、天井に頭が当たってしまうこともなく、また圧迫感を感じることもありません。



入り口はテントの長辺側に２箇所あって左右で互い違いの構造になっています。入り口が２つあると２人使用時も出入りが楽なのが良い点です。就寝中にトイレに行く時など、隣で寝ている人に極力気をつかわなくとも出入りできるは意外に大きなメリットです。

また入り口には広めの前室があり、バックパックなど荷物を置くスペースとしては十分な広さがあります。

インナーの入り口には開いたインナーをまとめて留めておくためのマグネット付きストラップがあります。マグネットの磁力で固定するので、不意に無理な力がかかった時にも自然に外れることでテントの破損を防いでくれる役割もします。これは他のどのメーカーにもないユニークな特徴。



それぞれの入り口の横には、使い勝手の良い大きめのサイズのポケットが１つずつと、天井には照明用のライトポケットが２つあります。ライトポケットにはヘッドライトやランタンを入れてやると、ライトの光を拡散させて室内全体を照らしてくれるようになっています。







インナーがノーメッシュタイプのギャラクシーストームは保温性が高い反面、やはりメッシュ地に比べて通気性に劣るので、特に冬は結露が発生しやすいです。また比較的暖かい季節だと朝に日が昇った途端に室内の温度が急上昇しやすく、暑くてゆっくり寝られないなんてこともあります。日の出の早い季節は、設営はなるべく直射日光が当たらない場所に設営するのがポイントになります。



ということでこのテント、オートキャンプ場や低山で使うよりも保温性や耐候性がある程度必要になる比較的標高の高い山や、それと同程度の気温の環境に向いているようです。またメーカーでは３シーズン（春〜秋）用テントとして紹介されているようですが、3シーズン＋（３シーズンから4シーズンの間）から、場合によっては4シーズン（積雪期を含むオールシーズン）用として使用しても良いくらいな感じです。

フライシートの入り口にはZipper Flap Ventと呼ばれる、入り口のジッパーを少し開いた状態で固定するための支柱があり、これで室内のベンチレーション(換気)をすることができます。この支柱は使わない時にはマジックテープで収納が可能です。

重量（Weight）

テント本体、ポール、フライシートのみの最小重量は2.2Kg、ペグやガイラインなどを含めた総重量（最大重量）は2.5Kgと、２人用にしてはやや重量のあるテントです。インナーがオールメッシュのギャラクシー同様、フライシートに厚手の生地が使われているからだと思います。

収納サイズ（Packed Size）

収納サイズはごく一般的な大きさで、インナーがオールメッシュのギャラクシーと同サイズです。

悪天候に対する強さ／耐久性（Weather＆Durability）

ポールは直径が9mmのアルミ製で強度的にはまずまずといったところ。ガイポイントは６箇所あり、フライシートの高い位置からテントを固定できるので耐風性が高くなっています。

適応性（Adaptability）

フットプリントが標準で付属しているNemo Galaxi Stormは、フライシートとフットプリントのみで設営する”ファストピッチ”と、フライシートから先に張りインナーを内側から設営する”ドライピッチ”ができる仕様になっています。もちろんインナーのみでも使うこともできるなど、天候や季節に応じた設営方法を選ぶことができるフレキシビリティの高いモデルです。
特にドライピッチは雨天時にインナーを極力濡らさずに設営/収納ができるので、雨天時の設営でも室内の濡れを少なく快適性を保つことができるのは大きなメリットになります。

設営（Set Up）

セットアップはとても簡単。ポールは全て天頂部のハブにつながっている1ピース構造なので、このポールを組み立てた後、インナーテントのポールクリップとポールアタッチメントにそれぞれ差し込んだり取り付けするだけで初心者にも直感的にセットアップすることができます。これもインナーがオールメッシュ仕様のギャラクシーと同じ。

ユザビリティ／その他（Ergonomics＆Extras）

ここまで紹介した以外にも今まで無かった”あると便利”な細かな工夫が随所に散りばめられています。

まとめ

設営しやすい上に居住性も高く、おまけに価格もリーズナブル。初めてテントを購入する人にとってのエントリーモデルとしては、まさにバランスのとれた最高の入門テントだと言えます。もちろん初心者だけではなく多くのユーザーにオススメできるモデルであることは言うまでもありません。

特に居住性に関しては最も評価の高いポイント。といいうのも、2人用のテントの中には実際に2人で使用するとかなり窮屈感のあるモデルも見受けられるなか、このギャラクシーストームは大人2人がゆったり横になれるスペースが確保されているので、快適性を重視しているのであればこのテントはまさにオススメ。その反面重量がやや重めなので荷物を極力軽量にしたい人には不向きかもしれません。

モデル名の”Storm(ストーム)”の名前の通りインナーテントにメッシュ部分がないので雨風に強く、天候があまりよくない時にも安心感があります。とはいっても構造上どうしてもメッシュよりは通気性に劣るので、結露が発生しやすかったり、気温の高い時期はテント内の温度が上がりやすい点は考慮に入れるべきポイントになります。使用環境で例えるなら標高だと2,000m程度の場所で早春から晩秋にかけて、またそれと同程度の気温の環境に最適なのではないでしょうか。

逆に夏のオートキャンプ場や低山など、それほど耐候性が必要な居場所や、ファミリーユースがメインであれば、インナーがオールメッシュのギャラクシーがオススメになります。