バックパックのテスト方法

テストするバックパックの選び方

テストするバックパックは業界リーダーのバックパック、リーズナブルなバックパック、日本のメーカーのバックパックからバランスを考えて選んでいます。

GWearではキャンプ可能なバックパックのみをテストしているので、30リットル以下のハイキング用、サイクリングやジョギング用のバックパックは含まれていません。

体型やメーカーによっては男性でも女性用のモデルの方がフィット感が良い事もあるため男性テスターが女性用のバックパックを選ぶ事もあります。（例えばDeuter Aircontact SLやOsprey Zenonなど） 「なぜあのブランドが入ってないの？」などと思う方もいると思いますが、今は第一段階です。

初めのテストでは30種のバックパックをテストしましたが、いくつかのバックパックのテストがまだ終了していない事、モデルチェンジされ生産終了になったバックパックがあるなどランキングに含まれていない物もあります。

これらはテストが終わり次第アップする予定です。 これから様々なブランド、モデルをテストしますのでお楽しみにしていてください。

テスト方法

コントロールテストでは、テスターは全パックを少なくとも３回以上はテストしています。 バックパックに水・寝袋・重りを入れて、全バックパック同じ状態にして泥道、砂利道、山道、一般道路、雪道、晴れの日、雨の中など様々な環境の中、1.5km以上歩いてテストしています。

スモールボリューム（〜35L)	１０KG以上
ミッドボリューム（〜36L〜50L)	１２kg〜２０kg
ビッグボリューム（51L〜）	１５kg以上

スコアのつけ方

バックパックは５つのカテゴリーで採点しています。

• 背負い心地（Comfort）
• 詰めやすさ（Packability）
• 耐久性（Durability）
• ユーザビリティ（Ergonomics）
• 本体重量（Weight）

各カテゴリーは、それぞれを0点〜100点で採点します。 採点はリードテスターのガイドラインに沿って行います。 採点の厳格な規則はありませんが、ヒップベルトはFF式ではないので５点減点といった形で行っています。

採点は以下のフローで行います。

• リードテスターが各テスターへガイドラインを説明します。
• 各テスターが各カテゴリーをテストし採点します。
• 各カテゴリーの採点結果を元に最終スコアを算出します。
• 最終スコアを元に総合ランキングを出します。
• テスト結果とランキング結果をテスター全員で打合せします。
• 結果の妥当性に疑問が残る場合は再度テストを行い採点し直します。

最終スコアは各カテゴリーの採点結果を元に算出します。

各カテゴリには採点比率を設定しており、「カテゴリーの点数」×「採点比率」がカテゴリーの最終スコア上の点数となります。

採点比率はバックパックの容量で3つに分類しています。 容量によって採点比率を分けている理由は、容量が異なると用途が異なるためです。 つまり容量により重視するカテゴリーが異なるため比率を分けています。

容量毎の採点比率は以下の通りです。

容量	採点比率
	背負い心地	詰め易さ	耐久性	ユーザビリティ	重量
スモールボリューム （〜35L）	25％	35％	20％	10％	10％
ミッドボリューム （36L〜50L）	25％	25％	25％	12.5％	12.5％
ビッグボリューム （50L〜）	30％	25％	25％	10％	10％

スモールボリューム（〜35L）の採点比率と採点例を以下に記載します。

カテゴリー	採点比率 （〜35L）	採点例
		点数 (100点満点)	点数 (比率を掛けた後)
背負い心地	25％	90	22.5
詰め易さ	35％	80	28
耐久性	20％	80	16
ユーザビリティ	10％	90	9
重量	10％	85	8.5
最終スコア （合計）	100%		84

スモールボリュームは詰めやすさを一番重視しています。元々収納スペースが少ないので、詰めやすく荷物を効率的に収納可能かを採点ポイントとしています。

ミッドボリューム（36L〜50L）の採点比率と採点例を以下に記載します。

カテゴリー	採点比率 （36L〜50L）	採点例
		点数 (100点満点)	点数 (比率を掛けた後)
背負い心地	25％	90	22.5
詰め易さ	25％	80	20
耐久性	25％	80	20
ユーザビリティ	12.5％	90	11.25
重量	12.5％	85	10.625
最終スコア （合計）	100%		84.375

ミッドボリュームは背負い心地、詰めやすさ、耐久性を同じ程度重視しています。スモールボリュームより荷物が多く入るので背負い心地が大切になりますが、容量もそれほど大きくなったわけではないので詰め易さも重視します。

ビッグボリューム（51L〜）の採点比率と採点例を以下に記載します。

カテゴリー	採点比率 （50L〜）	採点例
		点数 (100点満点)	点数 (比率を掛けた後)
背負い心地	30％	90	27
詰め易さ	25％	80	20
耐久性	25％	80	20
ユーザビリティ	10％	90	9
重量	10％	85	8.5
最終スコア （合計）	100%		84.5

ビッグボリュームは荷物が重くなるため、背負い心地を一番重視します。

背負い心地（Comfort）

この項目は「あとどのくらい歩いたら肩や腰が痛くなってくるだろう」と考えながらテストするようにしています。 チェック項目は以下を基準にしています。

• ストラップはつかみやすいか
• ストラップは調整しやすいか
• ロードリフターストラップは役に立つ物か
• ヒップスタピライザーストラップは役に立つ物か
• 同じ歩行条件でストラップを調整し直した回数
• ベンチレーションはどうだったか
• 背負っている重さ以上に軽く感じる事が出来たか
• パッドの厚み、固さは丁度良いものだったか
• チェストストラップは下がったりしないか
• ストラップは勝手に緩まないか

詰めやすさ（Packability）

この項目は浄水器を持って行かない場合のギアとウェアを想定し、たくさん詰められるか、簡単に出せるかを重視してテストしています。 チェック項目は以下を基準にしています。

• ２気室あるか。ない場合気になるか
• ２気室ある場合、簡単に１気室に出来るか
• ハイドレーションはあるか。ある場合、両サイドで可能か
• トップリッドは可動式か
• サイドに荷物を付けられる長さのコンプレッションストラップはあるか
• ポケットはあるか。ある場合いくつあるか、使いやすいか
• ヒップベルトポケットはあるか。ある場合、収納しやすいか
• トップリッドの中にポケットはあるか
• サイドポケットはあるか。ある場合使いやすいか
• バッグの中にポケットはあるか
• ウォーターボトルポケットは使いやすいか
• カンガルーポケットはあるか
• デイジーチェインはあるか
• ギアループはあるか
• ギアループは調整可能か
• ボトムストラップはあるか
• トップアクセス以外もあるか
• サイドアクセスはあるか
• フロントアクセスはあるか。ある場合形はU字型？J字型？センターラインアクセス？
• ボトムアクセスはあるか
• サイドアクセスはあるか。ある場合両側からアクセス可能か

耐久性（Durability）

この項目では素材、縫い目、ジッパー、保証期間などをテストしました。 また個人ブログや専門雑誌などを参考にしたり、フィールドテストを行うたびに再度検討して評価しています。 チェック項目は以下を基準にしています。

• 素材は何か（ポリエステル？ナイロン？ナイロンの場合はナイロン6.6?）
• どのような生地か（コーデュラ社？リップストップ？リップストップの場合どんなリップストップか？）
• 素材は何デニールか
• 素材はPUコーティングされているか
• DWR加工されているか
• ジッパーのメーカーはどこか

ユーザビリティ（Ergonomics）

この項目では基本的な機能、当然の機能だけではなく各メーカーはユーザーの事をどこまで考えて便利な機能を付けてくれたのかをチェックしています。 各メーカーは色々考えてはくれているものの、使えない、またはむしろその機能を追加した事によってバックパック自体が重くなっているものもあります。 チェック項目は以下を基準にしています。

• トップリッドのジッパーを開けると荷物が落ちてきたりしないか
• ウォーターボトルは出し入れしやすいか
• グローブを付けたままでもジッパーはつかみやすいか
• 優れている機能は付いているか
• ヒップベルトは長過ぎたりしないか
• ストラップは収納可能か
• いらない物を外しバックパックを軽く出来るか
• ヒップベルトポケットにアウトドア用のデジカメが入るか

本体重量（Weight）

この項目では同じクラスのバックパックと比べて重いか軽いかをチェックしています。 出来るだけ軽量でキャンプに行きたいですが、ウルトラライトキャンピングをするわけではないので、ある程度重くなる事は仕方ないと思っています。 そのため本体重量に関するテストは厳しく行っていませんが、重量の基準は以下のように設けています。

３５Lまで	1250g
３５L〜５０L	1500g
５０L〜６５L	2000g
６５L以上	2500g

GWearメンバーが好きな機能

• ヒップベルトはプルバック式よりFF式
• メッシュポケット
• カンガルーメッシュポケット
• アウトドア用デジカメが入る大きさのヒップベルトポケット
• 長いコンプレッションストラップ
• ボトムギアストラップがあるバックパック
• トルソー調整可能なバックパック
• 調整可能なギアループ
• 収納可能なストラップ
• 大きなフロントアクセス