メーカー

良い点

・室内が広い
・前室が広い
・玄関が2つある
・ベンチレーションが良い
・良いペグとポールを使っている

悪い点

・セットアップに慣れが必要
・クリップの耐久性に不安がある

住み心地（Livability）

とても広々としたテントで、大型のスリーピングパッドを余裕で2枚敷くことができる幅がありますので、ゆったりと寝たい人にはぴったりだと思います。天井は非常に高く室内はとても開放感があります。このくらい高いと室内での着替えも楽にすることができます。





玄関は両サイドにあり、2人で使うときも別々の玄関を使うことができるので出入りは非常に楽です。また前室の床面積は広く、しかも高さのあるテントですので空間に余裕があるのでトレッキングシューズ、トレッキングポールやバックパックなど泥などで汚れていたりして室内に持ち込みたくないものはすべて置くことができるのではないでしょうか。またキャノピーは出入り口が広くなっていますので出入りが非常に楽です。また出入り口が広いと室内に出入りするときにトレッキングシューズが履きやすかったり、室内のものを取り出し易くなるので良いのではないでしょうか。





キャノピーの上部は窓のような形に部分的にメッシュになっていて風通しはまずまずです。フライシートの入り口横に付いているベンチレーション用の開口部を開けることでベンチレーションを調整することができます。
　　

重量（Weight）

総重量は2.47Kgと2人用のテントとしては普通か若干重めとなっています。しかし室内の広さを考えると決して重くはないと思います。

収納サイズ（Packed Size）

収納したときいのサイズは、長さ46㎝×太さφ18㎝と他の2人用のテントと比較してとても大きくなっています。そのままの状態ですとバックパックに外付けするにも大きすぎてストラップの長いパック以外には外付けするのが難しいと思いますし、スタッフサックから出してパックの中に入れてもかなりスースをとると思います。2人でキャンピングに行くときには2人で分担して持っていくのが良いかもしれません。

悪天候に対する強さ／耐久性（Weather＆Durability）

風に対しての強さは、他のテントと比べると背がとても高いので、基本的にはあまり強くはないと思います。ポールの組み方が普通のテントとは違いキャノピーを直接支えているポール (DAC Pressfitφ9.0) はセンターの1本のみとなっていて、他のポールはキャノピーの室内を広げる程度にしか支えていませんので、しっかりとペグアウトしないとテントはきちんと立たないようになっています。設営するときには少し苦労するかもしれません



ガイポイントは全部で6カ所ありますが、位置がテント中央から若干低い位置にあるのでもう少し高い位置にあった方が安定感があり良かったのではないでしょうか。大柄なテントなので風のある日はしっかりとガイアウトしたほうが良いでしょう。



キャノピーは40Dのリップストップナイロン、メッシュのウインドウは20D、フライシートは40Dのリップストップナイロンでデュラシールドポリウレタンコーティングされていて耐水圧は1,500㎜となっています、フロアはデュラシールドポリウレタンコーティングとDWRが施されていて耐水圧は3,000㎜となっています。フライシートとフロアの耐水圧はともに平均的な耐水圧となっていますが、でどちらもPU/DWRされているので安心して使用できると思います。

適応性（Adaptability）

このテントは、ドライピッチはできませんが、オプションのフットプリントでファストピッチができるようになっているようです。天気が良い日にファスト&ライトで行きたいときには良いかもしれません。キャノピーのみでも設営はできるようですが、このテントのポールで地面にしっかりと接地しているポールはセンターの長いポール一本のみで、ペグアウトだけではぐらぐらして安定感があまりなくお勧めはできません。

設営（Set Up）

一般的なポールをクロスさせるような設営方式ではありませんが、慣れてしまえば簡単に設営できるテントです。しかしきちんと地面に接地しているポールはセンターの1本だけで、前後の下部の2本のポールは地面にきちんと接地おらずテントを十分に支えていないので、キャノピーの設営時にはペグアウトするまで若干不安定で苦労するかもしれません。フライシートの止め方はグロメットではなくアタッチメント式となっておりとても簡単に取り付けることができるようになっています。



1. センターポールと横のポールを繋ぐハブはプラスティック製になっていて、自在に動くようになっています。
2. ポールはDAC Pressfit(直径は9.5㎜)
3. キャノピーを広げる横のポールはグロメットで留まっています。
4. キャノピーはすべてクリップで留めるようになっています。
5. フライシートはアタッチメントで簡単に留められるようになっています。

ユザビリティ／その他（Ergonomics＆Extras）

付属のされている4本のガイロープはほかのテントと比べて太いのでその分丈夫にはなっていると思いますが、少し重くかさばってしまいます、またガイラインの数もガイポイントが6カ所あるので同じ数を付属してほしいところです。テンションの調整用金具はアルミ製の簡単な造りとなっています。
付属のペグはDAC社製でV字形をしています。ペグアウトに必要な最低限の数は、キャノピーに最低4本、玄関を留めるためにフライシートに2本、ガイラインを留める場合にはさらに最低4本必要なのですが付属しているのは6本だけです。そのためテントをきちんと設営するには追加で購入しなくてはならず少々面倒です。テントは多少価格が高くなってもペグの本数には少し余裕を持たせてほしいところです。強度があり軽量で長さも十分ある良いペグなのでとても残念な点です。


　　
キャノピーとフライシートの入り口のジッパーのツマミはジッパーに紐を通しただけの簡単な造りになっていて、小さくつかみにくくなっていますのでグローブをしたままだと若干扱いづらいかもしれません。室内のポケットは天井に三角形のものが2つと入り口横に2つあります。どちらもそれほど大きくはありませんが普通に使う分には問題はないと思います。天井のポケットは夜にランタンなどの照明を置いておくのに大変便利です。またオプションでギアロフトが取り付けられるようにもなっています。

まとめ

室内と前室は十分広いのでとても開放感があり、中で着替えをしたり2人で使用するにも不自由なく使えるとても良いテントだと思います。特に前室が2つあると出入りが非常に楽で、また広さも十分ありますので、雨の日など外に出られない日には前室で料理もできてしまう点が非常に良いです。3シーズンのキャンピングに非常にお勧めのテントです。しかし設営方式(ポールの組み方)やガイポイントの低さから風には比較的弱いテントですので山岳用として使用することはお勧めできません。