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ストーブのランキング（総合, 総合スコア）
| 第15位 | Primus Ultra Burner P-153 |
| プリムス ウルトラバーナー P-153 |
 |
| 75.8 |
| 9,000円 |
| 燃費 | ||
| 沸騰時間 | ||
| 燃料対応性 | ||
| 安定性 | ||
| 重量 | ||
| 収納サイズ |
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メーカー
PRIMUSは1892年にスタートしたスウェーデンの燃焼器具メーカーです。創業者のヴィルヘルム・リンドクヴィストは1880年代にパラフィンを気化させることで煤の出ないストーブを発明しました。そのストーブはのちにPURIMUSと名付けられ量産されました。1911年に人類が初めて南極点に到達した際にはプリムスが携行されました。その後もプリムスはアイデアの詰まった数々のストーブを発表してきました。現在も登山用ストーブのトップブランドとして世界中で愛用されています。
良い点
・軽量＆コンパクト
・コンパクトな収納サイズ
・高出力
悪い点
・燃焼音がうるさい
・火力調整ツマミがやや使いづらい
燃費（Fuel Economy）
コントロールテストによると、燃料消費量は9gで燃費は¥23/500ml(※)とカートリッジタイプの平均値(¥19.26/500ml)や全体の平均値(¥21.62/500ml)をやや下回る結果に。 ((※)テスト条件：9.5℃ 500ml の水を直径170㎜のステンレス製のクッカーを使い沸騰までに使った燃料のコスト)
これについて、Primus Ultra Burner P-153のバーナーヘッドはカートリッジタイプのストーブの中でも小さい部類で、これは収納時に折り畳んだ際に、厚さが薄くなって収納性が良くなるメリットがあります。その反面小さなバーナーヘッドは表面の炎の出る面積が狭くなり、またガスと空気をうまく混合して完全燃焼を促進するような、バーナーヘッド内部に燃焼効率を高める構造にする空間的な余裕が少なくなることで、燃焼効率の面で若干不利になってしまうのだと思います。
それとは逆にSoto WindMaster SOD-310、Soto Micro Regulator SOD-300のように、大きめのバーナーヘッドを持ち、カートリッジからのガスと空気を効率よく混合させ燃焼効率を良くするとともに、バーナーヘッド全体から満遍なく炎を出して、クッカーの底全体を均一に加熱するようなデザインのストーブもあります。実際この2モデルはこのUltra Burner P-153よりも燃費も良く、最大出力も3,000 Kcal/hに満たないのに沸騰時間も早いことから、バーナーヘッドの構造も燃費(燃焼効率)に関係していると思われます。
また同メーカーのFemto(燃費：¥18.4/500ml、出力：2,100 Kcal/h)はこのUltra Burner P-153よりも1,500Kcal/hも最大出力が低いものの、バーナーヘッドにMFMM(Micro Fiber Metal Mesh：マイクロ・ファイバー・メタル・メッシュ)と呼ばれる技術を採用することで、ヘッドから出る炎もUltra Burner P-153よりも均一にまとまった形で出ており、この差が燃費の違いになっていると思われます。
沸騰時間（Boil Time）
コントロールテストによる沸騰時間は2分29秒(※)で、カートリッジタイプの中で4/16位とかなり良い数値に。燃費はあまり良くないものの、最大出力が3,600Kcal/hと高出力ということもあり沸騰時間は短いようです。
(※テスト条件：9.5℃ 500ml の水を直径170㎜のステンレス製のクッカーを使い沸騰までに要した時間)
コントロールテストとは別に、実際にフィールドで使う場合には耐風性も重要になります。このプリムス ウルトラバーナー P-153はX字ゴトクと呼ばれる、ゴトクが暴風板の役割をするように、バーナーヘッドを4つの区画に仕切るような形状になっています。これは一方から風が吹いて1つの区画が消えてしまっても、他の3つの区画は燃焼を保ち風の影響を最小限にするような設計とのこと。プリムス ウルトラバーナー P-153は、近くで見るとどのストーブよりもゴトクとバーナーヘッドの隙間が小さく、ゴトクも縦方向に幅を持たせていますので、ある程度の耐風性は持ち合わせているようです。
また燃焼音が大きいのがこのプリムス ウルトラバーナー P-153の特徴。コンパクトなサイズからは想像もつかないくらい大きな音がします。その音はガソリンストーブに勝るとも劣らず、カートリッジタイプのストーブの中では1番のうるささ。早朝にテント場で使うと周辺の人を完全に起こしてしまうレベルです。また細かな点では火力調整ツマミが小さく、厚手の手袋をしたままではつかみにくいのが欠点といえば欠点かもしれません。
燃料対応性（Adaptability）
燃料はカートリッジ(ガス)のみです。
収納サイズ（Packed Size）
収納サイズがとても薄いのがこのプリムス ウルトラバーナー P-153の魅力の1つ。点火装置 (イグナイタ)を火力調整ツマミの反対側に、そして垂直に配置してバーナーヘッドの直径よりも厚くなる部分を無くすることで、とても薄い収納サイズを実現しています。また長めのゴトクは中間で折り畳まれ、バーナーヘッドを中心に回転させて、イグナイタと同じ向きに一カ所にまとめることができます。ゴトクが非常に薄いこともあり折り畳んでもかさばらないのが良い点。
重量（Weight）
重量は116gとキャニスタータイプの平均(115.8g)とほぼ同じ重量になっています。同メーカーのソロ専用軽量モデルのFemtoに比べ2倍ほどの重量がありますが、いたずらに軽量化を追求するのではなく耐久性とユーザビリティを考えたトータルバランスの高いモデルといった印象。
安定性（Stability）
4本ゴトクで直径が147㎜と比較的大きいので、2〜3人用の直径150㎜以上のクッカーでも安定して載せることができます。ゴトク自体も薄い割に剛性が高くてガタつきもなく、しかも表面にはしっかりと滑り止めの溝が付いていて思ったより滑りにくいのです。それでいて収納時には中間から折り畳めてコンパクトにできるので使い勝手に申し分はありません。小さなクッカーから大きめのクッカーまで安定して支えてくれるのがこのプリムス ウルトラバーナー P-153良い点です。
その他（Miscellaneous）
まとめ（Conclusion）
Primus Ultra Burner P-153は重量、耐久性、使い勝手、火力のバランスがとても良く、燃費の良さや重量の軽さをそれほど突き詰めたい人でなければ、デイハイクからアルパイン、ロングトレイルまでどんなシチュエーションにも対応できるモデルになっています。またセットアップも簡単なので初心者にも使いやすく、また細部の造りも良いのでベテランも納得の仕上がりでしょう。まさにこれさえ選んでいれば間違いなしといった高いレベルで汎用性のあるストーブになっています。
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