GWear(グウェア)では函館を拠点に登山ギアのテスト → ランキング → レビュー記事の作成を行っています。
ストーブのランキング(総合, 総合スコア)
第22位 | EPI Neo |
イーピーアイ ネオ |
69.9 |
8,500円 |
燃費 | ||
沸騰時間 | ||
燃料対応性 | ||
安定性 | ||
重量 | ||
収納サイズ |
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メーカー
EPI Gasは1961年にイギリスのストックポートという町で設立された燃焼機器メーカーです。地元の町に残る伝統的な技法に当時の最新技術を加えた安全性の高いガスストーブとランタンの生産を始めたのが始まりです。1973年にはセルフ・シーリング・セーフティ・バルブを発表。カートリッジに直接バーナーを取り付けることができるため非常にコンパクトなガスストーブの設計が可能となりました。1975年に発表したバックパッカーストーブは各国の山岳遠征隊や冒険家などの称賛を得てベストセラーとなりました。1994年からは日本国内での製造となりました。ブランド名のEPIは「Euro Pleasure International」の頭文字をとったものです。
良い点
・大きくて丈夫な安定性の高いゴトク
・火力の微調整がしやすい
・高出力
・大人数の料理に対応
悪い点
・収納サイズが大きく嵩張る
・重たい
・ソロには向かない
燃費(Fuel Economy)
コントロールテストでは燃料消費量11g、燃費¥25.3/500ml(※)と固形燃料のEsbit Tablet Stoveを除くすべてのストーブの中で最下位。もちろんカートリッジタイプの中でも最も燃料を消費したストーブでした。
(※テスト条件:9.5℃ 500ml の水を、直径170㎜のステンレス製のクッカーを使い、沸騰までに使った燃料のコスト)
沸騰時間(Boil Time)
コントロールテストでの沸騰時間は3分15秒(※)で、ストーブ全体で16/26位、カートリッジタイプのなかでは9/16位と平均的な結果に。ただこのEPI NEO、スペック上の最大出力は4,000Kcal/hとガソリンストーブ並みの高出力を謳っているようですが、沸騰時間が一番早かったWindMaster SOD-310(最大出力:2,800 Kcal/h)に比べ、最大出力が1,200 Kcal/hも高いにもかかわらず1分以上遅れをとっています。燃費の悪さから考えると残念ながら効率のよいストーブとはいえないようです。
((※)テスト条件:9.5℃ 500ml の水を、直径170㎜のステンレス製のクッカーを使い、沸騰までに使った燃料のコスト)
コントロールテストとは別に、実際のフィールドではまったくの無風状態ということはまずないので、バーナーヘッドやゴトクの耐風性が沸騰時間に大きく影響を与えます。EPI NEOのバーナーヘッドは内蔵されたメッシュにより、全体から満遍なく炎がでるようになっていて、弱火でも安定した炎でクッカーの底全体を加熱できるようになっています。またこの機構のおかげで炎がバーナーヘッドから離れて燃焼する“リフティング”という現象を抑えることで耐風性を高めているとのこと。
また“マイクロアジャスト機構”と呼ばれるEPI独自の火力調整機構ももちろん搭載。微調整が良く効き、極弱火の“とろ火”から最大火力までキメ細やかに火力をコントロールすることができます。ラーメンやパスタを茹でるときに必要な、“吹きこぼれしない程度の絶妙な火加減”の調整や、焦げ付きが気になる料理をする際にそのアドバンテージを発揮するでしょう。さらに、調理に必要な適切な火力を常に細かくコントロールできるという点ではムダな燃料の消費抑えることにもなるので、実際に料理をした時の“実燃費”にも良い影響があるはず。
燃料対応性(Adaptability)
燃料はカートリッジ(ガス)のみです。
収納サイズ(Packed Size)
安定性が素晴らしい反面やはり気になるのがその収納サイズの大きさ。ゴトクは根元からきれいに下向きに折り畳めることができますが、いかんせんバーナーヘッドが巨大なためにどうしても直径が大きくなってしまいます。付属のプラスチック製ハードケースは、ちょうどゴトクの角がきれいに収まるようにスマートに収納される寸法とはいえ、深さに余裕が多く蓋をしたときにケース内上部にやや広めのデッドスペースができるのが気になります。このスペースを利用して料理に使う小物類を収納することも可能でしょうが、やや余裕がありすぎるといった印象。逆にもっぱらストーブはハードケースを使わず、常にクッカーの中に納めている人にとっては気になる点でもありませんが….。
重量(Weight)
このEPI NEOの最大の弱点の1つがやはり重量でしょう。もともと2〜3人用向けのモデルなのでゴトクを始め各パーツがソロモデルに比べ大きく重く、どうしても重量面で不利になってしまうのは仕方ありません。ちなみに重さは185gと、キャニスタータイプの平均(115.8g)を大きく上回り、カートリッジ直結タイプのストーブのなかでは最重量。これより重いカートリッジタイプのストーブにPrimus ETA Spider P-ETA-ESP(195g)と同メーカーのEPI Split S-1026(234g)があるのですが、どちらもカートリッジと本体が分離したタイプなので重量的にもともと不利なタイプなのです。
重量的に不利な反面、高い安定性が魅力のこのようなモデルに限って言えば、山行人数が多い時はこれ1台でグループ全体の料理を担当し、ソロ山行のときは別の軽量タイプのストーブを使うなど複数人専用ストーブとして割り切った使い方をするのもありなのかと思います。
安定性(Stability)
カートリッジ直結タイプのストーブのなかで、使う人に最高の安定性と安心感を与えてくれるのがこのEPI NEO最大の特徴でしょう。直径205㎜もある4本のゴトクは大型のクッカーでも余裕を持って載せられるのと同時に、肉厚で頑丈な造りは高標高や冬季など厳しい環境においても使う側に絶対的な安心感を与えてくれます。このあたりは山岳ストーブメーカーならではの長年のノウハウに裏付けされた技術力の高さといったところでしょう。
その他(Miscellaneous)
まとめ(Conclusion)
マイクロアジャスト機構、メッシュが内蔵されたEPI独特のバーナーヘッドなど山岳ストーブメーカーならではの高い性能と信頼性を両立している
今回テストしたカートリッジ直結タイプのストーブの中で最高の安定性、トップクラスの最大出力、またマイクロアジャスト機構による“とろ火”までキメ細やかに調整できる火力調整バルブや、やや大型のクッカーでも躊躇なく載せてしまえるほど大きくて厚い安定感のあるゴトク。これらを山岳ストーブメーカーならではの技術力により、性能と信頼性を高いバランスで実現しているのがEPI NEOの特徴です。さすがにソロハイクの場面ではオーバースペックなほどの安定性と、昨今の著しい登山ギアの軽量化のトレンドのなかでその重量は正直重いと言わざるを得ないので、おもに2〜3人での山行用としてその魅力を大いに発揮してくれるはずです。具体的にどのようなシーンにおススメかというと、複数人で行くテント泊でのトレッキングなど数人分の料理をまとめて調理するようなシーンに最適なモデルになるでしょう。
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