GWear(グウェア)では函館を拠点に登山ギアのテスト → ランキング → レビュー記事の作成を行っています。
バックパックのランキング(全タイプ, 総合スコア)
第9位 | Deuter Aircontact 55+10 |
ドイター エアコンタクト55+10 |
83.7 |
30,500円 |
背負い心地 | ||
詰めやすさ | ||
耐久性 | ||
ユーザビリティ | ||
重量 |
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メーカー
ドイター(Deuter)は、1898年にハンズ・ドイターがドイツ南部のアウグスブルグで設立したアウトドアブランドで、主な製品は、バックパックとスリーピングバッグ。創業されたばかりのころは郵便局の集荷袋等を製造していましたが、次第に山岳用のバックパックを製造するようになり、1934年のドイツ隊のヒマラヤ遠征にドイターのバックパックが使われるなど山岳用バックパックメーカとしての地位を固めました。公式サイトによると、自転車専用のバックパックはドイターが最初に製品化したもので、またTUV(Technischer Uberwachungsverein:技術検査協会(ドイツの安全規格団体))承認のチャイルドキャリアと脊椎プロテクター内蔵バックパックもドイターが最初に開発しました。
良い点
・大きく開くフロントアクセス
・ギアの取付が可能なトップリッドのアタッチメントリング
・サイドポケットは両側に
・マット類の外付けにも十分な長さのボトムストラップ
・ギアループは2つ
・レインカバー内臓のボトム
・トルソー調整がとても簡単
・ベンチレーションの良い背面構造
・しっかりと腰に荷重を載せるヒップベルトと背面下部
悪い点
・耐久性が高いがゆえに重量が重い
・ヒップベルトポケットは片側のみ
耐久性(Durability)
ボトム素材には1000Dのドイターディュラックス、メインファブリクスには330Dマイクロリッププロ6.6と呼ばれるどちらも耐摩耗性、引き裂き強度の高いドイター独自の素材が使われています。全体が厚手の生地でできていることもあり、他のパックと比較しても丈夫であろうことは一目瞭然。多少のラフな扱いや長期縦走にも安心して使用できる耐久性を持ち合わせています。同クラスの容量のパックのなかでもトップクラスの耐久性です。
背負い心地(Comfort)
エアーコンタクトの最も目を引く特徴の1つがやはり分厚くて幅広のヒップハーネス。
ハーネス類は全体的に固めなのですが、逆にこれのおかげで安定感のあるカチッとしたフィーリングが得られます。それでいて部分的に加重が集中してしまうようなところがないので、どこか一部が痛くなってしまうような事もありません。グレゴリーバルトロやオスプレーアトモスのフィット感に比べると”やや固いかな”という印象ですが決してネガティブな印象ではないのです。
逆に驚いたのがパックの重量を重くした時の背負い心地の良さ。分厚いヒップハーネスのおかげで20Kgを超えるような重量になっても、腰を中心にしっかりと荷重をサポートしてくれるので他のパックに比べ背負い心地の悪化が少なく感じます。そのため荷物の多くなる長期縦走や冬季の山行には頼りになるパックになるでしょう。
逆に細かな点で個人的に気になったのがチェストストラップ。体格の良い人向けに作られているのか、チェストストラップを一杯に締めても締めしろがやや足りないです。比較的細身が多い日本人には締め代が足りずに、ショルダーハーネスが腕の動きにやや干渉してしまうのではないかと思います。またショルダーハーネスの形状もやや腕の動きに干渉してしまうようなラインになっているようで、長時間背負っていると腕の付け根の部分に違和感を感じずにはいらません。またハーネス自体の幅もOSPREYやGREGORYなどのメーカーより幅広なのも原因かもしれません。逆に日本人より肩幅の広い外国人だと違和感なくしっくり背負えたりするのではないでしょうか。
分厚くて幅の広いヒップベルトのホールド性はテストしたバックパックのなかでも最高クラスとよべるほど腰周りをしっかりと包み込んで加重を分散させ、違和感や痛みなどは皆無。それだけに余計にショルダーハーネスへの不満点が目立ってしまいました。
詰め易さ(Packability)
パック背面の形状が比較的ストレートなのでパッキングのしやすさに不満を持つことはなさそうです。またエクステンダブルトップのプラス10ℓのおかげで予想外に荷物が多くなってしまっても余裕を持ったパッキングができます。ヒップベルトポケットは片側に1つしかありませんが必要にして十分な容量を持っていますので、アウトドア用のやや大きめのデジカメでもストレスなく出し入れできます。
フロントアクセスは大きくU字に開き、中の物が一目瞭然。突然の雨や風などでレインウエアや防寒着などが必要なときのアクセスのしやすさは、サイドアクセスのパックにはない魅力です。ボトムアクセスもフロントアクセス同様、大きく開くので中の物が取り出しやすく初心者でもテントや寝袋の取り出しに手間取ることもないでしょう。
ボトムストラップは他の多くのパックに比べやや短めであるものの、CCフォームのスリーピングンマットを留めておくだけの長さは十分確保されています。
全体的にシルエットは細身で容量の割に高さのあるパックなのですが、大きく開くフロントアクセスやボトムアクセスにより中のものがすぐに取り出しやすいのが特徴のパックです。
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ユーザビリティ(Ergonomics)
バリクイックと呼ばれるベルクロ式のトルソー調整システムはとても簡単に背面長を変えることができます。背面長は最初に自分の体に合わせて調整してしまえば、あとは変えることは滅多にありませんが簡単に越したことはありません。
そのほかボトム部分にレインカバーも標準装備。別売りで購入すると決して安くはないので、このクラスのパックに標準装備なのは嬉しい点です。
サイドポケットは最近のパックにしては簡素な作りで、入り口部分だけがストレッチ素材になっています。それでも深さ的には十分なので、ナルゲンボトルを入れてもホールド性に不満を持つこともないでしょう。ただやはりオスプレーのパックのサイドポケットのような、メッシュのストレッチ素材の方が使い勝手が良いと感じてしまうのも正直なところです。
次にやや残念だった点を挙げるとすると、ギアループとボトムストラップの位置関係。ギアループがボトムストラップよりも下側にあるので、スリーピングマットを留めた状態だと、ギアループからの取付・取外しをする際には一度ボトムストラップからマットを外さなくてなならなず、冬場には手間に感じるかもしれません。その他、トップリッドポケットは開口部の位置がポケットを開いた際に中の物が見づらく、また中身がやや落ちやすい形状になっているのもやや残念な点です。
重量(Weight)
このパックのネガティブな面の1つがやはりその重さ。2.7Kgに迫る重量は同クラスの中でノースフェイスのバンチー65より約1Kgも重く、まるで違う容量のパックを比較しているかのようです。ただ分厚いウエストベルトと幅広のショルダーハーネスによりしっかりと荷重を受け止めてくれるこのパックは、その重さを感じさせないほど軽快に背負うことができます。また重量とトレードオフで得られた耐久性の高さによる安心感は、軽量モデルのそれとは明らかに違うのも大きなメリットだと言えます。
まとめ
ハードな使用にも耐えられるよう丈夫な素材で仕上げられたエアーコンタクト。オススメなシーンは、やはり丈夫さゆえに信頼性に重きを置きたい長期縦走はもちろんのこと、岩肌に直接パックがこすれることが少なくない山岳用パックとしても安心して使用することができるでしょう。
容量的には夏は3泊程度、ギアやウエア類の多い冬でも2泊はこなすことのできる容量があります。とにかく丈夫につくられているので、何より信頼性の高さを基準に考えている人にはまさにピッタリなパックになります。
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ストーブランキング公開
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[ 2016/01/24 ]
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[ 2015/09/15 ]
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[ 2015/08/23 ]
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寝袋レビュー公開(7点)
[ 2015/08/17 ]
寝袋レビューを公開しました。 Marmot Always Summer、Montbell Super Spiral Burrow #3、Montbell Spiral Hollow #3、the North Face Aleutian 2、the North Face Dolomite 4、Mountain Equipment Helium Solo、Dunlop GFM36-400
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[ 2015/08/10 ]
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